5歳の娘。
耳から聞く指示の理解が、以前よりは通ることも増えましたが、初めての言葉は反応が薄いです。理解できずスルーしていることが多い。聞き返すこともありますが、集団の中での一斉指示はそれが出来ず、厳しいです。周りの動きを見てなんとか乗り切っているっぽい。
ただ体験として知っていること、見たことがあることならすぐ反応しますし、なんならすごい記憶力だなと感嘆するほど、詳細に思い出します。
療育で受けた発達検査では、「とにかく引き出しを増やすことが成長につながる」と。
体験を増やす。「できた」を増やす。言葉の知識量を増やす。
なので、普段道を歩いたり、休日にどこかにおでかけしたときに、たくさんのことをこまごまと教えるようにしています。
「これは点字ブロック。目の見えない人がたよりにするので私たちは踏みません。自転車もおきません。すると助かります。どうしても通らないといけない時だけ通ります」
「これはフェリー。先に人がのって、あとで車が乗ります。船では走りません。濡れていてすべるから。乗り降りの時間がかかると船がおくれるから、到着する少し前に下に降りれるようにします。」
これ、結構普通の親子からしたら「そこまで細かく言う?」って感じじゃないでしょうか。「聞いてきた時に説明すればよくない?」って。
でも娘の場合は、とにかく「最初に得た知識が全て」なんです。
途中で情報の上書きが簡単にはできません。そこがこだわりであり障壁です。
なので、初めて物に会った時が最大のチャンス。
※体験する最初に一通り説明しておくことで、「見通しがつかない」不安から癇癪につながることも防げるという狙いもあります。(癇癪起きたら負の体験になってこわがるようになるし、周囲にもめいわくになるので避けたい)
「初めて」に出逢ったら、正しいことを分かりやすく、断定形式で伝えます。
そうすれば、一発で理解できます。
視覚優位なので目の前に物(視覚)があるときに説明すればよく理解できるのです。
できればその場でやって見せます。
「これは空豆。皮をむぐと中はフカフカでおまめさんがたくさん入っているよ。」
→実際に買ってむいてみる。食べてみる。
そこまでしてはじめて「そらまめのベッド」の絵本のストーリーを聞く機会があっても理解できるということ。
想像することがむずかしいから、できるだけの体験と知識を蓄えるのが一番なんですね。
あと例えばふざけてたたいてきたら「痛かったよ、たたかないよ」と伝えるだけでなく「ここ、たたかれて赤くなったね、ジーンとするよ、悲しいよ、たたかれると体が変わっちゃってすっごく痛くなるんだよ、楽しくても周りに気を付けてね」と伝えます。
その時は聞いてないような感じ(汗)のときもありますが、あとで「たたいたらだめよ、あかくなるよ」と人形にいったりしているので伝わってるのだと思います。
とにかく、特に発達の遅れがある子にとっては、「その場で説明する」が一番の勉強なんだなと。実感しています。
国際的な学力ランキングで上位のノルウェーの学校は、宿題やテストを減らして放課後に子供たちがたくさん遊ぶことを重視しているんだとか。
自然豊かな国土で遊んで体験することで、実感として理解したり疑問を持ったりすることが、机上の勉強への意欲になり、自分で考える子になるんだそうです。
勉強の時間を減らすのは難しくても、娘のような子ばかりでなく、普通の子たちにとっても、「体験」や「実感」は何よりの勉強になるという事でしょう。
親が教えてあげられることは今後小学生になったりして一緒にいられる時間が減ると更に少なくなるので、特に社会面で公共の場で知っていないと困ることについて、休日は特にいろんなところにいったり、家で一緒にいろいろ家事や遊びをしたり、楽しみながら話しています。
最近はこうしてきたおかげか、気持ちの表出と想像力も豊かになってきました。
「落葉がすごいね!」と道でいうと
「赤くなって嬉しくて、私の服も同じ赤だから大好き~!って降りてきてるんじゃない?」なんて言います(笑)。
なかなかの想像力だなと感心します。
同年代の子より分からないことも多いけど、少しでも引き出しが増えて、いつかヘレンケラーみたいに「これが!!ウォーター!!」みたいなピンとくることが増えていくといいな、と思って日々を送っています。