地方のかたすみでちょっと想う~HSPな視点から~

結婚して西日本のまあまあ田舎に住み始めました。 マイペースに地方の片隅で日々育児をしながら家事をしながら、想うことを健忘録的にかいてみます。私は HSP(ハイリ―センシティブパーソン)。娘もHSCかと思ったらASDと。

年少から年中へ

もうすぐ4歳という頃に自閉症スペクトラムと診断された娘ですが。

保育園に入って1年が過ぎ、4月からは年中さんに進級します。

 

年少で保育園に入ったときは3歳後半でしたが、まるで外国の人のように「飴 タベル」「お水 オイシイ」程度しか話せず。

保育園など集団の中ではひたすら言葉を発さず大人しく。

騒いだりしないけどみんなと同じようにできないみたいな感じで。

頑張っている分、家では不満や「嫌」という気持ちがでると言葉では言えないので唸ったりキーキー言ったり大泣きしたりモノをなげたり。

 

それでも少しずつ少しずつお姉さんになっていったようで。

結構な道のりをクラスの子と一緒に遠足や散歩で手をつないでいって帰れて(家族と外出するときは手はつながないし抱っこ抱っこなのに笑)。

入園時には他の子と会話をするなんて夢のまた夢、話しかけられても無表情で自分が思いついたタイミングでしか発語しなかったのに今は話しかけられ嬉しそうに「うん♪」「やったね!」「ありがとう♪」などとりあえずリアクションがとれるようになりました。

どきどきの初の発表会では数日前から「人がいっぱいいるよ、ママもいるよ」「段の上にあがるんだよ」「いつもとちがう服をきるよ」などいいきかせたおかげかパニックも泣くこともなくちゃんと発表でき。

おうちの料理などお手つだいをしてくれるようになり。

料理中に泣き叫んで大変だったのに今は自分一人で遊んで待ってくれている。

「今日は保育園で何したの?」と聞くと「あのねー、○○、先生、くれた」など断片的ですがしたことを話してくれるようになり。

しちゃダメなことをしたら「これは困るの、○○になったら大変、しないでね」といえば何回に1回かはしないようになり。

 

ゆっくりゆっくりですが、お姉さんになっています。

 

そして進級を間近に控えた今、「○○(自分)ちゃんはね、もうすぐ△組さんだから。」というようになりできないことにも挑戦しつつあります。

この「もうすぐ」という未来と「△組さんになる」=ちょっとお姉さんになるから今よりできることが求められるということを理解してくれるようになったのが嬉しい。

 

少し前までは彼女の中に未来=1分後、くらいしか概念がなかったように思うから。

昨日、今日、明日、来週。来月。3分後、10分後。

そういう概念が少しずつ彼女の中にできつつあるのかなと。

 

(一時期は「この歳なら言い聞かせればわかります」「3歳ならちゃんと聞けるはず」といった言葉に傷ついたこともありましたが、きっと他の子より1年2年ゆっくりに育っているのだと思える今は「あ、今できるようになったのね!」と素直に大喜びできます。)

 

そしてそういう「時間」の感覚など日常の様々なことを子供に教えてくれているのは私たち家族だけでなく。

毎日接する保育士の先生方がきっと日々言い聞かせて下さっていること。

療育の先生が毎回言い聞かせて下さっていること。

おじいちゃんおばあちゃんが「また今度会おうね」など言い聞かせて語り掛けてくれること。

近所の方が「今日はもう帰ってきたんだね」など語り掛けてくれること。

親の私たち夫婦だけでなく、たくさんの人との関わりの中で少しずつ少しずつ娘にいろんな学びの種をはぐくみ育てて下さっていたんだなと感じているところです。

 

「子供は家の中だけで育つのではない、地域や社会の中でたくさんの人に育てられます」とどこかで読んだけれど。

そうだね、と思いつつどこか実感がありませんでした。

でも今ならその言葉が分かる。

特別深くつながっているわけではない人からも、実はたくさんの愛情と育みを子供は受けて栄養をもらって成長しているんですよね。

 

そして親も、子供の成長から元気をもらう。

 

自閉症とわかった時にはこの子の先のことなんて考えられなかった。

それでも、今は「みんなと同じでなくてもこの子なりにわずかでも成長していく」のだと実感しています。

他の子が中学生くらいで出来るようになることがもしかしたら20代30代くらいになってようやくわかる部分もあるかもしれない。

それでも、昨日のこの子より少しだけ今日は成長しているのだと。

親はゆっくりゆっくり見つめてせかさずいることが仕事なんだと。

そしていつまでたってもできない部分があったとしても、こちらも対処を学んで偉くなるし本人も親と居場所を見つけて安心して楽しめるようになったりする。

体の成長に伴って解決されていく部分もあるということ。

 

たった1年ですが私たち親子にとってはそういう大事なことを学んだ、見せて頂いた1年でした。

 

また来年もちょっぴりお姉さんになれるかな?

 

楽しみにゆっくりゆっくり過ごしていきたいと思います。